DXが「進んでいないように見える組織」で起きていること

――表に見えないところで、少しずつズレているもの

現場で話をしていると、「DXが進んでいない」という言葉を耳にすることがあります。
ただ、その言葉が指しているのは、必ずしも停滞や失敗ではありません。
本記事では、その言葉の裏側で起きていることを、現場でのやり取りをもとに見つめてみます

「DXが進んでいない」という言葉の正体

その言葉が出てくる場面を振り返ってみると、
強い否定や焦りが前面に出ていることは、それほど多くありません。
むしろ、「思っていた変化が感じられない」「手応えがない」といった感覚を、
まとめて表しているように見えることが多いのです。

表に見えない違和感のあらわれ方

進捗や計画といった表に見える情報だけを見ると、説明はつくことが多いものです。
一方で、会議では前向きな発言が並ぶのに、日常の会話では話題に上らない、
といった場面もあります。

一度の会議や報告だけでは、状況の全体像は見えてきません。
何度か話を重ねるうちに、「いつからこうなったのか」「何が前提になっているのか」
といった背景が、少しずつ言葉になります。
変化が見えにくいと感じるとき、
その多くは“途中のプロセス”が共有されていない状態にあります。

多くの組織で起きている、前提のズレ

話を進める中で、目的や役割、期待値といった前提が、
人によって微妙に異なっていることがあります。
誰かが意図的にずらしているわけではなく、
共有されたつもりで進んできた結果、少しずつ認識が離れていく。

こうした前提が共有されないまま対処だけを重ねると、
かえって混乱が増えることも少なくありません。
一度立ち止まり、何が共有されていなかったのかを考える時間が、
次の一歩につながることがあります。

あなたの組織への視線

ここまで読んで、特定の出来事や場面が思い浮かんだ方もいるかもしれません。
すぐに正解を出そうとせず、「どこでズレが生まれていそうか」を考えてみるだけでも、
見え方は少し変わります
今の組織では、どんな前提が暗黙のままになっているでしょうか。