どの研修を選ぶか、その前に

研修を決めるということは、単にテーマを選ぶことではありません。
そこには、組織の未来に関わる判断が、静かに積み重なっています。

正解を求められる立場で

研修を決める立場の方とお話していると、
ときどき、こんな言葉を耳にします。

「何が正解なのか、わからなくなることがあって。」

DX、多様性、ハラスメント、データ活用、コンプライアンス。
組織が取り組むべきテーマは、年々増え続けています。
どれも大切で、後回しにはできません。

けれど、すべてを同時に進めることはできない。
だからこそ、「何を、いつ、どの順番で行うか」を決める人がいます。
その判断は、ときに組織の未来に直結します。

成果が出れば自然に受け止められ、
うまくいかなければ選択の妥当性が問われる。
それでも、迷いをそのまま表に出すことは難しい。

正解がはっきりしない時代に、正解を求められる立場。
そこには、静かな孤独があります。

何を育てようとしているのか

少しだけ視点を変えてみるとどうでしょうか。

「どの研修を選ぶか」という問いの前に、
本当はもう一つ、問いがあるのではないでしょうか。

それは、
「この組織は、いま何を育てようとしているのか。」

知識でしょうか。
スキルでしょうか。
それとも、考え方でしょうか。

目の前の課題は、いつも急いでいます。
けれど、育てたいものは、急いでいるとは限りません。

研修は“答え”ではなく、組織が何を大切にしているかを映す“選択”です。
だからこそ、迷いが生まれるのは自然なこと。
迷いがあるということは、
その選択を軽く扱っていないということでもあります。

3分だけ、声に出してみる

もし判断の重さを感じたときは、研修内容そのものよりも先に、
「私たちは、どんな組織でありたいのだろうか。」
そんな問いを、そっと置いてみてください。

答えがすぐに出なくてもかまいません。
ほんの短い時間でもかまいません。

たとえば、次の研修を決める前の3分間
その問いを、誰かと声に出してみること。

研修を決めるという役割は、正解を選ぶことではなく、
組織の未来について対話をひらくことなのかもしれません

その役割は、思っている以上に、組織の未来に深く関わっています。