少しだけ、時間を巻き戻してみる
――誰もが新人だったはずなのに

「どうして、こんなことがわからないんだろう」
「どう伝えればいいんだろう」
そんな言葉が、ふと頭に浮かぶことがあります。
新入社員を迎えるこの時期。
教えることが増えたり、思うように進まない場面があったりして、
気づかないうちに、少し余裕がなくなっていることがあります。
「もう少し主体的に動いてほしい」
そんなふうに感じる場面もあるものです。
少しだけ、視点をずらしてみる
そんなときに、
ほんの少しだけ、視点をずらしてみる。
いま目の前にいるその人は、
「できていない人」なのではなく、
まだ、その場の文脈を持っていないだけです。
何が前提で、何が暗黙で、
どこまでが共有されていて、どこからがそうではないのか。
その輪郭が見えていない中で、手探りで動いている時間です。
かつて通ってきた時間
そして、その時間は、
かつて自分も通ってきたものです。
何がわからないのかさえ、うまく言葉にできなかったこと。
聞いていいのか迷って、立ち止まっていたこと。
いま振り返れば小さく見えることも、
そのときには、つかめないままでした。
それぞれが、余裕のない中で
教える側もまた、
限られた時間の中で、どう伝えるかを考えながら向き合っています。
どちらかが足りないのではなく、
それぞれが、それぞれの立場で、精一杯やっています。
だからこそ、うまくいかない場面に出会ったとき、
「どうすればできるようになるか」と考える前に、
ほんの少しだけ、過去に視点を戻してみる。
思い出すことから、はじまること
どんな関わり方があれば、
あの頃の自分は、もう少し動きやすくなっていたのでしょうか。
その問いに、すぐに答えは出ないかもしれません。
けれど、そのままにせずに持ち続けることで、
目の前の誰かとの関わり方は、少しずつ変わっていきます。