好奇心は、どこへ行った?

子どもの頃、「なんで?」「どうして?」と、
何度も尋ねたことはありませんか。

気になるものがあれば、近づいてみる。
面白そうなら、とりあえずやってみる。
その先に何があるかなんて、あまり気にせずに。

あの頃の好奇心は、どこへ行ったのでしょう。

研修の場で、「好きなことは何ですか?」と尋ねることがあります。
すぐに答えが浮かぶ方もいれば、少し考え込む方もいます。

そんなやり取りをしていると、
自分自身にも問いかけたくなります。

子どもの頃のように、ただ「面白そう」と感じる気持ちに、
今も素直に向き合えているだろうか、と。

大人になると、何かを始める前に、
こんなことが頭をよぎることもあります。

「それは何の役に立つの?」
「時間をかける価値はあるの?」
「もっと効率のよい方法はないの?」

いつの間にか、「面白そう!」という気持ちよりも、
意味や成果を先に考えてしまうのかもしれません。

仕事では、効率を意識することも大切です。
私にとっても、それはごく自然なこと。

けれど、好奇心に導かれる時間くらいは、
効率や成果を少し脇に置いてもよいのではないでしょうか。

ちょっと気になったことを調べ始めたら、
次の疑問が生まれて、また調べる。
試してみると、思いがけない発見があって、
今度はそちらを追いかけ始める。

「あれ、最初は何を調べていたんだっけ?」

そんな寄り道が、また楽しい。

何かの役に立てようと思っていたわけではありません。
ただ、面白くて、もっと知りたくて。

ふと振り返ると、出発したときとは少し違う景色が見えている。
そんな思いがけない変化に、心が満たされることもあります。

好きなことに、惜しみなく時間を使う。
行き先を決めずに、心の向くままに楽しむ。

そんな時間の使い方も、なかなか贅沢なものです。

さて、あの頃の好奇心。
本当にどこかへ行ってしまったのでしょうか。

案外、どこにも行っていないのかもしれません。
いくつもの「こうした方がいい」に包まれて、
ちょっと見えにくくなっているだけで。

その包みをひとつほどいたら、
どんな「面白そう」が顔を出すでしょう。

もうひとつほどいたら、
今度はどんな「やってみたい」に出会えるでしょう。