好きな仕事は、旅にもついてくる

仕事を忘れることは、休むことと同じなのでしょうか。
休みの日には、仕事から離れたほうがよい。
パソコンを閉じ、連絡を見ず、仕事のことを考えない。
それが、よく休むための条件のように語られることがあります。
もちろん、仕事から距離を置く時間は大切です。
目の前のことに追われる日が続けば、
考えることそのものを手放したくなる日もあるでしょう。
何も考えずに過ごすうちに、少しずつ元気を取り戻す日もあります。
一方で、休みの日にも、仕事がふと頭に浮かぶことはあります。
旅先で見かけた案内のわかりやすさに目が留まる。
心地よい応対に触れ、自分の仕事と重ねてみる。
何気ない会話の中から、考えていたことへのヒントが見つかる。
仕事のために何かを探しているわけではないのに、
目の前の出来事と仕事が自然につながっていきます。
それは、本当に「休めていない」ということなのでしょうか。
仕事について考えているように見えても、
そこには締め切りも、求められた答えもありません。
考えることも、考えないことも、自分で選べる。
その自由があるなら、仕事が頭に浮かぶ時間も、休息の中に含まれているのかもしれません。
その違いは、仕事を考えたかどうかよりも、仕事に追われていたかどうかにありそうです。
考えなければならない。
返事をしなければならない。
休みの間にも、何かを進めなければならない。
そんな思いが離れないのであれば、心はまだ仕事の中にいるのでしょう。
けれど、新しい景色に触れて考えが動き出すことを、ただ面白いと思えるなら、
それは少し違います。
何も考えたくない日もあれば、浮かんだアイデアを楽しみたい日もあります。
その日の自分に合う過ごし方は、少しずつ違うものです。
休み方を、一つに決めなくてもよいのでしょう。
仕事を忘れなければと頑張る必要も、休みの日まで仕事に役立つものを探す必要もありません。
何かを持ち帰ってもよい。
何も持ち帰らなくてもよい。
好きな仕事が旅についてきたら、少し一緒に歩いてみる。
疲れたときには、どこかで待っていてもらう。
そのくらいの距離で過ごせたら、心はもう少し軽くなるのかもしれません。