期待に寄り添い、ときに裏切る

誰かから期待を寄せられると、できるだけこたえたくなります。
けれど、ときには、良い意味で裏切りたいのです。
何を求めているのか。
その先で、何を実現したいのか。
もっとよいやり方を探していたはずが、話を重ねるうちに
「そもそも、何を変えたかったのだろう」と問いが変わる。
期待に寄り添うことと、期待に迎合することは違う。
ときには、予想とは違う方向へ進むこともあります。
裏切りたいのは、相手の信頼ではなく、
最初に思い描いていた筋書きなのです。
研修でも、コンサルティングでも、コーチングでも、
目的を確かめ、できる限りの準備をして臨みます。
誰かの一言が、別の誰かの問いを呼ぶ。
ふとした沈黙のあとに、新しい考えが生まれる。
気づけば、対話の行き先まで変わっている。
そんな、台本にはない時間があります。
目的は見失わず、道筋は決めつけない。
その場の流れに合わせて、私自身の役割も変わります。
問いかけ、耳を傾け、ときには一緒に迷う。
最初は「知りたい」だった気持ちが、
「ちょっと試してみようかな」へと動き始める。
その背中を、ちょこんと押してみる。
小さく試してみると、また新しい問いが生まれる。
やがて、自分から「やってみたい」と話し始める。
そんな変化に触れながら、
私自身も、新しい問いや視点に出会っています。
誰かが自分の意思で踏み出す一歩。
そこに関わらせてもらえることが、
この仕事の大きな喜びです。
期待にこたえようとしていたはずが、
互いに、思い描いていなかったものを見つけている。
最初の予想を裏切るほどに、
期待の形が変わっていく。